このしおりは手術説明時にお渡しする「リンパ浮腫診療計画書」(PDF)を補足するものです。
手術の前、手術の後にご確認ください。
食事について
◆手術を受ける前
食事は普段通りで結構です。水分を十分とってください。
- 目安として手術開始時刻の1時間前までには食事をお済ませください。
◆手術後
食事は普段通りで結構です。水分を十分とってください。
飲酒は1週間控えてください。
服装・圧迫について
◆手術を受ける前
締め付けないゆったりした服装、靴でお越しください。
圧迫は普段通りで結構です。
マニキュア・ジェルネイルはお控えください。
- 下肢リンパ浮腫の方:普段弾性ストッキングをはいている場合はそのままはいてお越しください。その他の圧迫方法(包帯など)をされている場合は、普段通りの圧迫をしてお越しください。靴はスニーカーなど、調節可能で歩きやすい靴を履いてお越しください。
- 上肢リンパ浮腫の方:普段スリーブ・グローブをお使いの場合はそのスリーブ・グローブを着用してお越しください。手術後は簡易型のスリーブをお渡しします。
- 爪には酸素濃度を測るモニターを装着する場合がありますので、マニキュア・ジェルネイルはお控えください。
- 指輪は外せる状態にしておいてください。
◆手術中
- 当日、看護師が術衣についてご案内いたしますので、指示通りお着替えください。
- 上肢リンパ浮腫の方は上半身チューブトップの術衣、下肢リンパ浮腫の方はガウンと紙ショーツに着替えて頂きます。
- 手術部位、点滴を留置する部位以外は、ご自分の着衣のままでも結構です。ただし、窮屈でないゆったりした服装をお選びください。
- ストーマがある方は予めご相談ください。
- 眼鏡はかけたままで結構です。リンパ管と静脈の吻合する手術操作をモニター越しにご覧頂けます。
◆手術後・帰宅
- 創部にフィルムドレッシングとガーゼをあてがい、その上からストッキングまたはスリーブを着用します。そのまま就寝してください。翌日(または翌週)の再診時にガーゼを除去するまで、ストッキング、スリーブは外さないでください。
◆手術後1日目以降
しばらく術前と同じストッキング・スリーブを着用します。経過をみて圧迫の強度を変更することがあります。
- 手術後もストッキングまたはスリーブなどの圧迫着衣が不要になることは稀です。経過が良ければ圧迫圧を緩めることや、着用時間を短くできることもありますが、自己判断では行わずに医師の指示に従ってください。
内服薬について
◆手術を受ける前
普段から内服している薬はそのまま内服してください。
血液が固まりにくくなる常用薬、その他の内服薬を内服している場合は、予め医師または看護師にお知らせください。
- 不整脈の薬、高血圧の降圧剤、糖尿病薬、ホルモン治療薬等はいつも通り内服してください。
- 抗生物質を内服している方、痛み止めを内服している方は手術後に処方する内服薬との重複を避けるため、予めお知らせください。
- 出血が殆ど無い手術のため、血液が固まりにくくなる常用薬は原則としてそのまま内服しても構いませんが、状況により中止することがあります。予めお知らせください。
◆手術後・帰宅
内服薬(抗生物質・痛み止め・胃薬)が処方されます。医師の指示通りにお飲みください。
- 抗生物質は必ず指示通りにお飲みください。
- 痛み止めは痛いときだけで結構です。痛み止めを飲む際に胃薬をあわせてお飲みください。痛み止めは6時間以上間隔をあけて内服してください。
持ち物について
◆手術当日
普段使用するストッキング・スリーブなど圧迫着衣(身につけてお越しください)
手術同意書・診察券・保険証・限度額適用認定証
手術費用(現金またはデビットカードとクレジットカード)
トイレがご不安な方はオムツをご持参ください。
- 手術中、持ち物は鍵のかかるロッカーで保管が可能です。
- 「服装・圧迫」の項で説明の通り、普段の圧迫着衣を身につけてお越しください。術衣の貸出が可能ですので、着替えはお持ち頂かなくても結構です。
- 手術同意書(承諾書に署名したもの)をお持ちください。
- 限度額適用認定証は、手術時までにご呈示頂ければ、当日の窓口での手術費用のお支払いが減額されます。申請手続きが間に合わなかった場合は、一旦、一般の負担割合でお支払い頂き、後日ご自身で還付のお手続きをして頂きます。
- 手術中もトイレに行く事は可能ですが、ご不安な方はオムツをご持参ください。ご希望により、尿道カテーテルの留置も可能です。
検査について
◆手術を受ける前
手術直前にICGリンパ管造影、超音波検査を行います。
- ICGリンパ管造影では、患肢の指の付け根などに予め局所麻酔を注射してから、造影剤を注射します。局所麻酔ではちくっとした痛みがあります。リンパ管の流れを映像で見ることができます。
- 超音波検査では、吻合する静脈とリンパ管を見つけ出します。
- 検査はあわせて20分程度で終了します。
◆手術中
- 必要に応じて術中に心電図や酸素のモニターをつけることがあります。
◆手術後1日目以降
- 手術後1ヶ月を目安に患肢の周径や硬さを計測し、手術の効果を判定します。
- その後、2-3ヶ月おきに随時計測します。
手術について
◆手術中
局所麻酔で行います。
手術時間は2時間前後です。
同じ姿勢が辛い場合、お知らせください。
- 手術する部位の局所麻酔のみで、意識が覚醒した状態で手術を行います。鎮静剤は原則として使用しません。手術中に眠っても結構です。
- 1カ所当り40分から1時間で手術を行います。手術の部位は1カ所から最大6カ所です。状況によって数が変わります。詳しくは医師にお問い合わせください。
- 手術の合間でからだを動かすことができます。
- 姿勢は仰向け、横向き、うつぶせなどです。手術の部位によって変わります。手術中に体の向きを変えることもあります。
- 途中でトイレに行きたくなったら早めにお知らせください。手術を中断してトイレに行くことも可能です。
処置について
◆手術を受ける前
点滴、ご希望の方には尿道カテーテルを留置します。
金属類・コンタクトレンズは外します。
- 尿道カテーテルの留置をご希望の方は予めお知らせください。
◆手術後・帰宅
きずの部分に防水フィルムとガーゼを貼り、さらにストッキングで圧迫します。
創部から多少の出血・浸出液がでます。
- 創部からの出血・浸出液が多少でることは異常ではありませんので心配はいりません。ガーゼに吸収されきれない量が出た場合は、清潔なガーゼやタオルをフィルムの上からあてがってください。
◆手術後1日目以降
手術後1日目にガーゼを除去します。
防水フィルムは1-2週間貼ったままです。剥がれそうな場合、浮いた部分をはさみで切って除去してください。
- 防水フィルムの下に血糊が付着していることがありますが、そのままで結構です。
- 防水フィルムは少なくとも術後1週間は無理に剥がさないでください。
- 防水フィルムが剥がれない限り、創部の消毒は不要です。
- やむを得ず剥がす場合は、剥がした後に絆創膏などで保護してください。
入浴について
◆手術後・帰宅
- 創部には防水フィルムを貼っていますが、術後1日目までは直接水をかけるとフィルムの下に水が入ることがありますのでご注意ください。
◆手術後1日目以降
- 術後1日目の診察後に創部に問題無いことが確認できれば、その後にシャワーが可能です。湯船につかっての入浴は手術後3日目から可能です。
活動制限について
◆手術後・帰宅
就寝時、手術した手・足は柔らかい枕などの上にのせて挙上してください。歩行制限はありません。
◆手術後1日目以降
長時間座ったまま、立ったままは避けてください。歩行制限はありません。
- 普段の生活で、浮腫を悪化させやすい行動は避けてください。(座ったまま、立ったままなど)
- 旅行やスポーツについては予め医師にご相談ください。
- マッサージは手術部位に触れない限り翌日から行っても結構です。
その他
◆手術を受ける前
- 上肢、下肢の手術とも術後当日は包帯やガーゼなどにより動かしにくくなることがありますので、運転はお控えください。
◆手術後・帰宅
会計は現金またはデビットカードとクレジットカードがご利用可能です。
できるだけ付き添いの方と一緒に帰宅してください。
- 限度額適応認定証をご提示頂ければ、そのまま窓口でのお支払いが負担限度額まで減額されます。当日までにご準備できない場合は、一度立て替えて頂き、後日還付されます。
多量の出血がある、我慢できないほどの強い痛みがある、高い熱がでる、著しく体調不良である、などの症状がある場合、下記までご連絡ください。