アヴェニューセルクリニックでは最先端の再生医療、足のむくみの日帰り治療を受けることができます

医師ブログ

TOP  >  医師ブログ  >   再生医療   >  【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.4】椎間板ヘルニアを繰り返さないために心がけたい生活習慣

再生医療

2025/06/03
【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.4】椎間板ヘルニアを繰り返さないために心がけたい生活習慣
腰椎椎間板ヘルニアにならないための予防策が知りたい、治療をして痛みや炎症が改善したものの再発しないか不安といった声を耳にします。
腰への負担の積み重ねや筋力の低下が原因のひとつですが、「若いから大丈夫」ではなく20~40代の働き盛りの世代に多く見られる疾患です。ですので、世代を問わず普段から腰に負担をかけない生活を心がけることが大切です。
今回は、腰椎椎間板ヘルニアの再発予防について松﨑医師に伺いました。
 

本ブログの要約

腰椎椎間板ヘルニアは長時間の座位や姿勢の悪さ、筋力低下、肥満などが原因で起こりやすく、再発防止には生活習慣の見直しが大切です。正しい姿勢の維持、筋トレやストレッチの習慣化、適正体重の維持、冷え対策、喫煙の回避が予防に有効です。専門医の指導のもとで正しいケアを行うことが再発を防ぐ鍵です。
 
 

椎間板ヘルニアになる原因をおさらい

 
椎間板ヘルニアは、脊柱(背骨)の骨と骨の連結部分である「椎間板」が変形して飛び出る病気です。脊柱は体を支えている部位で、常に負担がかかっているため椎間板が劣化しやすく、変形につながるといわれています。
長時間の座位、激しいスポーツ、重労働などが続くと負荷が蓄積されて椎間板ヘルニアになりやすいのです。
 

腰に負担をかけないことが再発予防にとって重要 

 
椎間板ヘルニアのなかでも、罹患率の高い腰椎椎間板ヘルニアは、腰への負担軽減が予防につながります。もちろん、治療後の再発予防においても重要なポイントです。
腰に負担をかけないためには、正しい姿勢の維持、適度な運動で筋力を保つ、体重を増やさないことです。
 

前傾姿勢にならないよう正しい姿勢を維持

 
パソコンやスマートフォン、タブレットの画面を見るために首を前に突き出した前傾姿勢で長時間過ごす人が増えてきました。脊柱は首から腰までの背骨なので、この前傾姿勢は大きな負担となります。猫背や反り腰も同じです。
普段からイスにもたれかかって座る、お腹を突き出して歩く、下を向いてトボトボ歩くなど悪い姿勢で過ごしていると腰に負担がかかって椎間板の変形につながります。ですから、まずは姿勢を見直すことが大切です。
立っているときのよい姿勢と言われるのは、くるぶし、ひざ、太もものつけ根、肩、耳が一直線になる状態のことです。
 
0601-01.jpg
 

適度な運動を習慣にして筋力を保つ

 
正しい姿勢を保つためにも筋力は必要です。体を支える体幹が弱いと猫背になって腰への負担が増えてしまいます。
少なくとも週に150分の有酸素運動、週2回の筋力トレーニングを行うことが推奨されています。例えば週5日、30分のウォーキングをすることで150分の有酸素運動になります。歩数でいえば、毎日8,000歩が目安です。
定期的に運動をすることは、筋力の維持、関節や骨の健康を促進するので、椎間板ヘルニアの予防だけでなくロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防にもつながります。
 
 

ストレッチで腰周辺の柔軟性を高める

 
筋力トレーニングとあわせて行いたいのが、背骨や股関節の柔軟性を高めるストレッチです。筋肉がかたくなっていると正しい姿勢を保ちにくくなりますし、関節の動きも悪くなります。ぜひ、ストレッチを習慣にしましょう。
例えば、あお向けになり片足を曲げて両手で抱え、できるだけ膝を胸に近づけて10~30秒キープします。足を変えて同じように行います。これは股関節とお尻まわりの筋肉のストレッチになります。
 
筋トレやストレッチは理学療法士など専門家の指導のもと行ってください。間違った動作は、ケガや症状の悪化につながります。
 

体重を増やさず、適切な体重を維持

 
変形性膝関節症や変形性股関節症の予防でもお話をしましたが、肥満は骨、関節への負担につながります。体重が増えると腰に余計な負担がかかりますので、太らないようバランスのとれた食事と運動で管理しましょう。
ちなみに肥満といわれるのは、BMI値(体格指数)が25を超える人です。
 

椎間板ヘルニアを繰り返さないためにやってはいけないこと

 
正しい姿勢を保つことが予防につながりますが、生活習慣の見直しも大切です。ついやってしまう行動のひとつひとつにも気をつけましょう。
 

長時間同じ姿勢で過ごさない

 
正しい姿勢であっても長時間座りっぱなしでは、腰に負担がかかります。デスクワークの場合、1時間に1回は立ち上がったりストレッチをしたりするようにしてください。また、車の長距離運転も同じです。こまめに休憩をとり、ストレッチをして筋肉をほぐすようにするといいでしょう。
 

重いものを持ち上げる動作に注意

 
0601-02.jpg
 
できれば重いものを持つことは避けてほしいのですが、どうしても持つときは腰を下ろしてから持ち上げて下さい。また、急な動作も腰に負担がかかるので、勢いで持ち上げないこと。
 

体を冷やさない

 
体が冷えると血流が悪くなり、筋肉の柔軟性がなくなります。夏は冷房で体が冷えやすいので特に注意しましょう。冷たい飲み物は避ける、適度な運動をする、ゆっくりとお風呂に入るなど、冷え対策をしてください。
 

喫煙は椎間板ヘルニアのリスクを高めるので避ける

 
タバコに含まれるニコチンが毛細血管を収縮させ血流が悪くなります。血流が悪くなると栄養が十分に行き渡らなくなり、損傷した椎間板の修復を妨げますので、禁煙をおすすめします。
 

自己流のケアは行わない

痛みやしびれがある場合は、自己判断で行わずに必ず専門医の指導を受けましょう。治療後はもちろんですが、腰に違和感がある、足がしびれるようになったなど気になる症状があるときは、早めに受診してください。
継続的なケアが必要なので、専門医の治療と指導を受けながら自宅でできる正しいケア法を学び、日々の生活に取り入れてください。
 

FAQ

Q1. 椎間板ヘルニア再発予防に最も大事なことは何ですか?

A1. 正しい姿勢の維持と、無理のない範囲での適度な運動(筋トレ・ストレッチ)、体重管理が重要です。
 

Q2. 椎間板ヘルニアの再発を避けるため、日常で気をつけるべきことは?

A2. 長時間同じ姿勢を避け、重いものを無理に持ち上げず、体を冷やさず、禁煙を心がけましょう。
 

Q3. 痛みや違和感が出た場合はどうすればいいですか?

A3.自己流の対処は避け、早めに専門医を受診し、正しいケア方法を学ぶことが大切です。

再生医療の最新記事

2025/06/03
【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.4】椎間板ヘルニアを繰り返さないために心がけたい生活習慣
2025/05/05
【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.3】腰椎椎間板ヘルニアの主な手術法とリスクについて医師が解説
2025/04/12
【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.2】腰椎椎間板ヘルニアになったら必ず手術は必要? 治療法について医師が解説
2025/01/09
【椎間板ヘルニアと再生医療Vol.1】椎間板ヘルニアとは? その種類と症状について解説
2024/09/17
【股関節と再生医療Vol.4】変形性股関節症の人工股関節置換術で起こるリスクと術後のリハビリ
2024/08/20
【股関節と再生医療Vol.3】変形性股関節症になったら手術は必要? 痛みを軽減する治療法とは
2024/07/22
【股関節と再生医療Vol.2】生活習慣を見直して股関節への負担を軽減。変形性股関節症を悪化させないための予防法とは
2024/06/25
【股関節と再生医療Vol.1】足のつけ根が痛い!歩行障害を招く恐れもある変形性股関節症の原因と症状
2024/05/31
TOPs細胞®の点滴と局所注射の違い
2024/05/27
【膝関節と再生医療Vol.8】膝の変形性関節症の再発防止に欠かせない体重管理とリハビリテーション
2024/05/24
【膝関節と再生医療Vol.7】日常生活を送りながら治療ができる新しい選択肢・再生医療。膝の痛みへの効果とは?
2024/04/30
TOPs細胞®と美容医療の併用について
2024/04/22
【膝関節と再生医療Vol.6】高齢者が膝の手術を選ぶときに知っておきたいメリットとリスクとは
2024/04/01
【膝関節と再生医療Vol.5】筋力強化で膝の痛みを軽減。変形性膝関節症の症状を軽減させる治療法
2024/03/26
幹細胞治療に関するよくあるご質問パート2
2024/03/18
【膝関節と再生医療Vol.4】膝がこわばる、立ち上がるのがつらい。それ、変形性膝関節症かもしれません
2024/03/05
【膝関節と再生医療 Vol.3】激しい運動をしていなくても中高年になるとリスクが高まる半月板損傷
2024/02/26
脂肪採取後の内出血について
2024/02/19
【膝関節と再生医療 Vol.2】膝痛、腰痛を軽減するために日ごろからできることとは?運動習慣や体重管理、筋トレから
2024/02/10
【膝関節と再生医療 Vol.1】その膝や腰の痛み、「年だから」ですませていませんか?その原因とは?