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再生医療

2023/01/27
肌再生治療のメカニズム

こんにちは。アヴェニューセルクリニック院長の井上啓太(いのうえけいた)です。

今回は前回に引き続き、肌再生治療のメカニズムの詳細について解説していきます。

 

本記事の要約

脂肪由来幹細胞を肌に注射する臨床試験により、エラスチンを含む弾性線維と毛細血管が増加し、肌の弾力性や潤いが向上する効果が確認されました。2004年の有名形成外科誌に掲載された研究で、肌再生の科学的メカニズムが実証された、と報告しています。

 

 

前回のブログはこちらをご覧ください。

脂肪幹細胞による肌治療の詳細

 

肌の老化に対して幹細胞TOPs細胞)の注射を打った時の臨床試験が行われています。

臨床試験というのは、人を対象にして科学的にデータを取って検証するという試験です。

一般的な臨床実験は、治療をした方としなかった方を比較するデータを取るのですが、肌の美容に関する実験は厳密には難しいです。

その様な中で、非常に優れた臨床試験があります。

フェイスリフトで皮膚を引っ張って切り取る手術を予定されている、イタリアとブラジルの方々で6人の患者さんが協力しています。

切り取る予定の皮膚に幹細胞を打って、もう片方は打たないという臨床試験を行いました。

その後に皮膚を切り取って顕微鏡で観察して、どの様な変化が起きるのかを調べました。

2014年にPlastic and Reconstructive Surgery(和訳:形成外科および再建外科)という形成外科の中で、一番信頼ができる医学誌の中に掲載された論文をご紹介します。

 

 

 

弾性線維の比較

 

こちらは、皮膚の断面図になります。

表皮.pngのサムネイル画像

 

表皮真皮皮下脂肪があります。

この3つの組織の詳しい説明はこちらのブログをご覧下さい。

脂肪幹細胞による肌治療の詳細

 

 

臨床試験で細胞を打ってない組織を比較したところ、

肌の張りを生む役割をするエラスチンである弾性線維(だんせいせんい)

細胞を打った側では、非常にたくさん増えている事がわかります。

 

細胞を打っていない状態の弾性線維は細いですが、

それに対して、細胞を打った方の弾性線維は太くなっています。

 

毛細血管の比較

毛細血管にも変化があります。

やはり細胞を打った方のデータは、皮下脂肪の境目辺りにたくさんの新しい血管があります。

 

この論文でわかる事は、細胞を肌に注射すると弾性線維と血管が増えて、肌の弾性が増すという事です。

この様なメカニズムがあり、幹細胞治療によって肌再生の効果が出るという事が証明されています。

 

今回の内容は動画もご覧いただけます。

 

<記事更新:2024年6月29日>
 
 

FAQ

Q1. どんな研究で効果が証明されたのですか?

A1. フェイスリフト手術予定者を対象に、片側に幹細胞注射を行う臨床試験が実施され、施術部位で組織学的変化が確認されました。
 

Q2. 肌にどんな変化がありましたか?

A2. 弾性線維(エラスチン)が太く増加し、毛細血管の密度も上昇したことで、弾力性や血流が改善しました。
 

Q3. 幹細胞治療の効果はどのくらい継続しますか?

A3. 長期持続性については追加研究が必要ですが、細胞注射による即効的な組織変化は確認されています。
 

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